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해설! 천성인어!! (일본어 일본 신문 칼럼) 10

2021년 6월 22일자 천성인어 (天声人語) - サンマ苦いか

(本文:본문) まだ沖縄が日本ではなかった1960年代。魚屋を営む豪傑おばぁ玉城(たましろ)ウシが、庶民の味方サンマにかけられた20%の関税に憤り法廷闘争に打って出た。「サンマ裁判」と呼ばれた珍騒動はやがて、沖縄の自治を問う闘いにつながる。 7月公開の映画「サンマデモクラシー」を見て、監督に取材した。「放送業界に30年いますが、この裁判は知りませんでした」。沖縄テレビの現役プロデューサーでもある山里孫存(まごあり)監督(57)は語る。大衆魚から火がついた大衆運動の面白さに企画書を一気に書き上げたという。 サンマはどう裁かれたのか。東京・神田の日本関税協会で裁判資料を見つけた。ウシおばぁは、みごとに勝訴し、4年半分の関税を取り戻していた。だが、判決当日、米当局は司法判断を無視するような布令を出す。 命じたのは、歴代の高等弁務官のなかでも際だって高圧的だったキャラウェイ中将。後続のサンマ裁..

2021년 6월 21일자 천성인어 (天声人語) - わがキリン愛

(本文:본문) キリンが水を飲んだあと、急に頭を上げ、沈思黙考する姿を動物園で見ることがある。きっと何か哲学者めいた思索にふけっているにちがいない。長年そう思いこんでいたが、私の買いかぶりすぎだった。 「あれは貧血を起こしてボーッとしているだけかも。頭の上げ下げで血圧が急変します」。意外な解説をしてくれたのは東洋大助教の郡司芽久(めぐ)さん(32)。幼稚園に入る前から大のキリン好きで、動物園に行けばキリン舎に張り付いたという。東京大に入学してまもなく研究者を志す。 初めて解剖を手伝ったのは19歳の冬。「この骨が柔らかな身のこなしを支えていたのか」。全身の仕組みを解き明かす作業に没頭した。これまでに解剖したのは38頭。世界屈指の多さだ。寝食を忘れる日々を描いた『キリン解剖記』は、広く読者を得た。 〈夏至の日はしづかにキリンを思ふべし絶滅に向かひ濡(ぬ)れるまつげの〉臼井均。昨年の夏、朝日..

2021년 6월 20일자 천성인어 (天声人語) - 父の日と娘

(本文:본문) 〈世の娘半分は父を嫌ふとぞ猫を撫でつつ答へむとせず〉宮地伸一。老いても娘の思いが気になる父親の姿が浮かぶようである。きょうは父の日。父娘の短歌を探してみたが、意外と少ない。母の日と比べて地味な存在なのにも通じるか。 〈転勤の娘(こ)の背に春の陽(ひ)は徹(とお)る良き友を得よ良き上司得よ〉。詠んだのは、昭和ひとけた生まれの男性である。高度成長期に就職し、持病で入退院を繰り返しながらも勤め上げた。定年後は念願の短歌に打ち込んだが、65歳で逝った。 娘は最近、父の没後に家族が自費出版した歌集を21年ぶりに読み返し、初めてこの歌に気がついた。病床での心境などを詠んだ他の作品より趣には欠けるが、ずしりと心に響いた。 男性は生前、本紙歌壇選者の馬場あき子さん(93)が創設した短歌結社「歌林(かりん)の会」で、熱心に出詠していた。馬場さんは実母を幼少時に亡くし、父への思いを数々の歌..

2021년 6월 19일자 천성인어 (天声人語) - 朗読の日

(本文:본문) 作家樋口一葉が残した日記には、母親に小説の読み聞かせをする記述がいくつかある。「夕飯ことに賑々(にぎにぎ)しく終(おわ)りて、諸大家のおもしろき小説一巡母君によみて聞かしまいらす」「日没後小説二、三冊よみて母君に聞かし参らす」。 近代文学研究者の前田愛が『近代読者の成立』で紹介していた。あまり字の読めなかった一葉の母が、娘の朗読を楽しみにする姿が浮かんでくる。日記が書かれたのは明治の中ごろである。 本は黙読が当たり前と思いきや、かつては声に出して読むのが一般的だった。「小説は個人的に鑑賞されるものとしてより、家族共有の教養の糧、娯楽の対象として考えられていたらしい」と前田は書く。貸本屋から借りた本を一人が朗読し、家族全員で聞き入る光景があった。 きょう6月19日はゴロ合わせで「朗読の日」。大人同士の読み聞かせの現代版と言っていいだろうか、オーディオブックなるものも利用者..

2021년 6월 18일자 천성인어 (天声人語) - 禁酒令と五輪

(本文:본문) 飲食店で自由にお酒が飲めない。「禁酒令」とも言える感染対策は、緊急事態宣言の後も完全には解けそうにない。1920~30年代の米国禁酒法になぞらえたくなるが、当時は多くの人にとって「飲酒の時代」でもあった。ただし闇での。 岡本勝著『禁酒法』によると、もぐりの酒場が洋服屋や床屋などの奥や地下で営業していた。経営者は役人や検事に賄賂を渡し、警官からはただ酒をせびられた。アル・カポネらギャングも密売に暗躍した。 もともと過度の飲酒を戒める倫理観から生まれた法律である。道徳の追求のはずが、いつのまにか不道徳がはびこる。はて何かに似ているような……そうか五輪か。崇高な五輪精神はジェンダー平等や持続可能な社会作りを後押ししてきた。 ところがいま見せつけられているのは市民の命を二の次に扱うような、倫理の喪失である。IOC幹部が緊急事態宣言下でも五輪はできると強弁したのは忘れられない。米..

2021년 6월 17일자 천성인어 (天声人語) - 些細なことでも

(本文:본문) 放送中のドラマ「コントが始まる」(日テレ)の魅力はとりとめのない会話にある。はっとする台詞(せりふ)も出てきて、油断できない。里穂子(有村架純〈かすみ〉)は傷ついて会社を辞めたが、今また就職へ踏みだす。新しい会社を選んだ決め手は会社案内に受付の写真があり、見事な生け花が写っていたことだ。 以下、近所に住む春斗(菅田将暉〈すだまさき〉)との会話。「え、それだけ?」「はい、本当にそれだけなんですけど」「そんな些細(ささい)なきっかけで動けるもん?」「些細ではあるんですけど、今の私にとっては、あの花がものすごく心強く見えたんですね」。 彼女がいちばん輝いていたのは高校時代の華道部だった。花を大切にする人が社内にいることに背中を押された。「会社のロゴが可愛いとか、社名が格好いいとかで選んでも、そんなに間違えてない気がするんです」。 春斗は高校の同級生とコントグループを10年続け..

2021년 6월 16일자 천성인어 (天声人語) - 小林亜星さんを悼む

(本文:본문) 主演は小林亜星さん。その配役が最初はイヤだったと、ドラマ「寺内貫太郎一家」の脚本家向田邦子さんが対談で語っていた。雑誌で見た写真の印象が悪かったからで、演出家に「冗談じゃない」と言ったほどだ。 気持ちが変わったのは当人に会ってから。声がすごくいい、それに風貌(ふうぼう)が西郷隆盛を思わせたという。享年88歳、亜星さんの訃報(ふほう)を聞き、あの丸刈りとはっぴ姿を思い浮かべた方も多かったに違いない。 「ばかやろう」と怒鳴る。妻も息子も張り倒す。古い頑固おやじを演じたが、本人は自伝で「二重人格」「多重人格」を任じていた。頑固で情に弱い面もあれば、流行好きでおちゃらけた面もあるのだと。本業の作曲ではCMからアニメ、歌謡曲と一つところにとどまらなかった。 なかでも長命だったのが日立のCM「この木なんの木」で、似たような木を見るたびにあのメロディーがよみがえる。マハリクマハリタ…..

2021년 6월 15일자 천성인어 (天声人語) - トランプ氏でない人

(本文:본문) 新任の営業担当にとって、前任者が優秀であることは必ずしもいい話ではない。取引先から「前の人はここまでやってくれた」「もっと気がきいていた」などと比べられるかもしれないからだ。 逆に前任者が取引先から嫌われていたなら、自分を売り込むチャンスにもなる。英コーンウォールでのG7サミットで、米国のバイデン大統領はその立場を存分に利用できたようだ。「トランプ氏でない人」というだけで得点になる。 トランプ時代に米欧関係は大きく傷ついた。地球温暖化や貿易問題で激しく対立し、首脳宣言が見送られたこともあった。米国が議長だった昨年、対面のG7がなかったのはコロナのせいだが、欧州の首脳はほっとしたのではないか。 今回のG7を象徴するのが「米国は帰ってきた」というバイデン氏の言葉だ。ある欧州の外交官が英紙に語っていた。「帰ってきてくれて、みな喜んでいる。だが米国のリーダーシップが意味するのは..

2021년 6월 13일자 천성인어 (天声人語 : 덴세이진고) - 樹木たちの「利他」

(本文:본문) 森の木々は私たちが考える以上に「利他」的なのかもしれない。ドイツで森林管理官を務めたペーター・ヴォールレーベンさんの著書『樹木たちの知られざる生活』に、古い切り株の話が出てくる。 400~500年前に切られたとみられるブナの株が、朽ち果てずに生きている。どうやら近くにある樹木が根を通じて糖分を譲っているらしい。弱っている仲間を助け、回復を期待するという森の姿がある。 「人間社会と同じく、協力することで生きやすくなる」からだと著者は書く。多くの木が死ねば森の木々がまばらになり、強風が吹き込みやすくなる。夏の日差しが直接入れば、土壌が乾燥してしまう。 コロナ禍で利他について考えることが増えた。慎重に行動するのは、他の誰かに感染させないため。苦境に立つ人たちへの寄付や支援の話も伝わってくる。しかし世界規模で見ると、先進国の利己が幅をきかせているようだ。 全ワクチンの75%超が..

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